SUMO!
閉所恐怖症である。閉ざされた狭い空間に極度な恐怖を感じる。エレベーターに閉じ込められるのではないか(事実、これまで3回閉じ込められた)、トイレのドアが開かなくなるのではないか(こんなことは一度もなかった)。
病院で「MRI(磁気共鳴画像化装置)検査をしましょう」と言われると、もう半病人である。何で、そんな不合理な恐怖を感じるのか。
人間が恐怖を感じる対象は四つ。蛇やクモに恐怖するのは動物型。血液・注射・外傷型は人体に関する恐怖。自然環境型は嵐、風、雷に恐怖する。閉所恐怖症は状況型。そういえば、僕は高所にも暗闇にも恐れを感じる。
親しい医者の話によると、大人でも閉所恐怖症は結構多いらしく、抗不安薬の服用を勧めるケースもある。特別、恥ずかしい病気ではないらしい。
仮病横綱?の朝青龍も閉所恐怖症ではないか、と心配している。骨折で巡業を休場しながらサッカーをしていた26歳の横綱に「2場所の出場停止・4カ月の減俸・謹慎」の処分が下された。かなり重い処分だが、それでも世間には「軽い!」という人も多い。
しかし、である。横綱には「謹慎」が応えた。九州場所千秋楽の11月25日まで部屋、病院、自宅の3カ所以外は出入り禁止。“軟禁”である。
普段、ふてぶてしい横綱もショックで2時間も泣きじゃくった。包茎手術が“本職”のヘンな医師は「神経衰弱及び抑うつ状態」と診断するが、「自宅軟禁」に、こんなに過剰反応するのは「状況型恐怖症」の一種ではないのか。
相撲協会は妙な組織だ。客観的に見ると、すこぶる疑いが濃厚な「八百長問題」では事情聴取はおざなり。その半面「品格がない」という理由で4カ月も、人間の自由を奪う。時々の世間の風向きに合わせ(僕から見れば人権蹂躙(じゅうりん)と思える)謹慎処分を断行する。(協会の罰則規定は解雇、番付降下、出場停止、減俸、譴責(けんせき)とあり「謹慎」はない)
ごう慢な朝青龍は嫌いだ。でも、平気で「権力」を振り回す相撲協会はもっと嫌いだ。
「国技」という言葉を上手に使い分ける親方衆に申し上げる。厳しい処分が必要なら、大関に降下すれば良い。見せしめの“軟禁”は必要ない。悪質な八百長が分かれば解雇すべきだ。もちろん、協会幹部も総退陣だ!
エッ、これが親方衆の恐怖?
これは病気ではない。正常な倫理観がなせる業である。(専門編集委員)
毎日新聞 2007年8月7日 13時01分
まさにその通りで、しきたりとゆう言葉の中で、上のものが強い発言力がありまるで政治の世界のようです、時代は変わっていくのですから、その時代に合った扱いや、粋があっても良いのではと思います。
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